カシオ、JAXAと共同で月面基地の建設に向けた高精度測位の実験を実施

カシオ、JAXAと共同で月面基地の建設に向けた高精度測位の実験を実施

月面における「picalico」利用構想

カシオ計算機株式会社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、「カメラ可視光通信」を使った高精度位置測位システム「picalico(ピカリコ)」による測位実験を、11月29日から12月3日にかけて、サーティーフォー相模原球場(神奈川県相模原市)にて実施すると発表した。

カメラ可視光通信は、LED灯の発光色を変化させて信号を送信するカシオ独自の技術で、主に工場の自動搬送機や台車、倉庫のフォークリフトなど作業動線の分析や所在管理に活用できる高精度の位置測位システムとして2019年3月より提供している。

今回は、衛星測位システム(GNSS)のない月面を想定し、この技術を、月面を移動する月面探査車などの位置を正確に把握する技術として活用する。広大かつ特徴が少ない月面上において、移動車が自己の位置を把握しながら移動することは、資源探査や基地建設などの活動において有効となるという。

実験では、野球場を月のクレーターに、フィールドを移動するトラクターを月面探査車に見立てて行う。産業用カメラをトラクターに設置し、観客席に設置した複数のLED灯から送信する可視光通信の信号を捉えて、それらから算出する位置情報データの精度を確認する。

実験は一般には非公開で行われるが、JAXA宇宙探査イノベーションハブのTwitter(@JAXA_TansaX)で実験の模様が投稿される。

発表資料
https://www.casio.co.jp/release/2021/1129_jaxa/