国土地理院、火山の微少な動きがわかる衛星画像の解析結果を地理院地図で公開

国土地理院、火山の微少な動きがわかる衛星画像の解析結果を地理院地図で公開

「干渉SAR時系列解析」で捉えられた山頂部の収縮

国土地理院は、ウェブ地図サービス「地理院地図」において、国内16火山の微少な動きがわかる衛星画像の解析結果を公開した。

この解析結果は、人工衛星「だいち2号(ALOS-2)」が観測した大量の画像を処理することで新たに得られたもので、従来のSAR(合成開口レーダー)干渉解析に加えて干渉SAR時系列解析を導入し、焼岳、口永良部島など国内16火山の微小な動きを把握できるようになった。

従来はSAR干渉解析により、同じ地域の観測日の異なる2つの衛星画像を精密に比較することで地表の動きを捉えてきたが、新たに導入した干渉SAR時系列解析では、多数の衛星画像を統計的に処理することで、誤差を大幅に低減させることが可能で、地下のマグマの動きを示す山頂部の収縮など、これまで検出できなかった詳細な変動とその時間変化を捉えられる。今後は現在の16火山に加えて、他の火山も順次公開していく予定としている。

地理院地図の「地図の種類」メニューから、「基準点・地磁気・地殻変動」の中の「干渉SAR」を選び、さらに「干渉SAR時系列解析」を選択してから表示させたい火山名を選択すると、地図上に干渉SAR時系列解析により得られた変位速度分布が表示される。

地理院地図
https://maps.gsi.go.jp/
発表資料
https://www.gsi.go.jp/uchusokuchi/uchuusokuchi61003.html