Cellid、AR技術を活用した建設現場での三次元位置情報の取得に成功

Cellid、AR技術を活用した建設現場での三次元位置情報の取得に成功

Cellid SLAMを活用した大規模構造物の3次元位置データ

Cellid株式会社は、株式会社大林組の建設現場において、独自のAR技術「Cellid SLAM」を用いて、作業員の三次元位置情報の取得に成功したと発表した。

Cellid SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、Cellidが自社開発して2020年12月30日に公開した技術で、自己位置推定と周辺環境の地図を同時に実行できる。レーザーや赤外線を活用するSLAM技術は専用センサーを必要なためデバイス費用が高額になり、センサーの設置のためのスペースや電源供給も必要となるが、Cellid SLAMは汎用単眼カメラだけで利用できる。

今回の実証実験では、屋内外の大規模な建設現場において、汎用単眼カメラを装着して巡視する職員の移動経路を三次元の動線として把握することができるかを検証するとともに、BIM/CIMを含むデジタルツイン・プラットフォームとSLAMで取得した三次元位置情報を統合することで、安全管理や労務管理のためのツールとして発展させることができる可能性があるかを検証するために実施した。

実証実験の結果、Cellid SLAMの空間認識アルゴリズムは、汎用単眼カメラの映像のみを入力情報として、非GNSS環境を含む大規模な建設現場において、GNSSやビーコンなど従来の自己位置推定技術を上回る測位精度を発揮することが確認された。

今後はBIM/CIMなどから構築されたデジタルツイン上にウエアラブルカメラを装着した作業員などの位置情報を反映して情報の統合を進める。また、同一現場で同時に複数の作業員がウエアラブルカメラを装着・撮影することで、位置情報だけではなく大規模な現場の点群データなどをスピーディに収集することも可能となる。将来的には、同技術とAR技術などとを組み合わせることで、現実空間の特定の三次元位置に作業ガイドや注意事項を、設置する「AR付箋」などの早期実現も期待できる。

汎用単眼カメラだけで三次元位置情報を取得できる

Cellid株式会社
https://www.cellid.com/