シンク・ネイチャー、日本全国の「歴史の古い草原」の分布を地図化

シンク・ネイチャー、日本全国の「歴史の古い草原」の分布を地図化

株式会社シンク・ネイチャーのサイエンスチームは、100年以上にわたって人為的な管理が継続されてきた「歴史の古い半自然草原(古草原)」の分布を地図化した研究成果を生態学の国際学術誌「Ecological Research」に発表するとともに、研究成果を閲覧・活用できるウェブサイト「日本の古草原ウォッチ(Japanese Old Grassland Watch)」を公開した。

草原は、火入れや採草、放牧など人間の管理によって森林への遷移が抑えられ成立する生態系であり、日本での面積は国土のごく一部ではあるものの生物多様性の高い生態系であるという。近年の研究では、地域住民の資源利用と結びついてきた「半自然草原」は、原生的な自然草原や成立の浅い二次的草原とは異なる生態系であることが分かってきたが、どこにどれだけ残っているかが可視化されていなかった。

今回の研究では、100年以上にわたり草本植生が継続してきた土地を「歴史の古い半自然草原」と定義して、複数時点の地図資料や統計データを統合する独自の手法により、1ha以上の歴史の古い草原について、その分布を全国規模で明らかにした。解析の結果、現存する古草原は2,654件のポリゴン(区画)として特定され、その総面積は58,872ヘクタール、日本の国土面積の0.16%にとどまることが判明した。

「日本の古草原ウォッチ(Japanese Old Grassland Watch)」のウェブビューアーでは、このような分布データを地図上でインタラクティブに確認することが可能で、半自然草原全体の分布密度を示す「SNG」レイヤーや、植物・動物・全種を対象とした保全優先度ランキング(上位5/15/30地域)など、複数のレイヤーを切り替えながら閲覧できる。これらのデータは研究目的のほか、自治体などにおける生物多様性地域戦略の策定や自然共生サイト認定候補地の抽出、開発事業における環境配慮の検討、防災・減災施策との連携などさまざまな活用を想定している。

日本の古草原ウォッチ(Japanese Old Grassland Watch)
https://grassland.think-nature.jp/